悪魔と涙と甘い恋。

甘くなるのはキミのせい


衣吹さんがヒートになって今日で5日目。


そろそろ落ち着いた頃だと思うんだけど……。



衣吹さんの部屋の前でウロウロしていると、ドアが開いた。


衣吹さんの姿を見るなり嬉しくて涙目になる。



「衣吹さんっ……!」

「羽瑠ちゃんか〜、誰がウロウロしてるのかと思ったよ」


衣吹さんは、笑いながらあたしの頭をよしよしと撫でた。



「寂しかった?」

「うんっ、寂しかった……!」

「あはは。羽瑠ちゃんは素直だねぇ」


ギュッと抱きしめると、衣吹さんがまたあたしをあやすように頭を撫でる。



「あ、……」


??

衣吹さんの声に顔を上げると、目の前に敦雅さんがいた。

パッと視線を逸らした敦雅さんはそのままあたし達の横を通り過ぎようとして。


あたしは敦雅さんの腕を掴んだ。




「衣吹さん今日から復活ですよ!」


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