悪魔と涙と甘い恋。

裏切り


昨日の夜、雨が降ったせいかベンチはもちろん遊具も濡れており、土曜日だというのに公園には誰1人いなかった。


ここはわりと広めにできているのか、子供が走り回っても何等問題はないくらいで。


トイレもちゃんと整備されていて外とは思えないくらい綺麗なものだった。

その角の一室にある多目的トイレ。


あたしはそこに無理やり連れてこまれた。



佑輝くんを中心に3人があたしを取り囲む。


両隣にいるのはきっと佑輝くんの友達……。



この唯ならぬ空気感に、本能が警告音を鳴らす。




「佑輝くんやめてっ……!」


そう声にすれば、1人があたしの腕を掴んで動きを封じる。


「どうしてこんなことっ……」

「“どうして”って?」


フッと乾いた笑みを溢す佑輝くんに、心臓がザワザワと騒ぎ始める。


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