悪魔と涙と甘い恋。

「……そうか」


一通り説明し終えた後のこの空間は、重くなったような気がした。

それは“全部バレてしまった”と言うことから、あたしの思い込みかもしれない。

もしかしたら全然変わってないかもしれない。


だけど、あたしの身体には完全に“重い何か”が乗っかってる。




……これで、あたしの秘密は……ここの桜夜組にバレてしまった。



正座をしている膝の上で、ギュッと手の平を握る。



「だからっ……!」

そう言った女の人はあたしの手を勢いよく取る。


「ご飯ちゃんと食べなきゃダメよ?」


ググッと近付く身体に押されて、思わず仰反るあたし。


「まずは安定させて、それから自分の身体知っていこ?ヒートがくるタイミングとかわかるはずだから」


力強く握るあたしの手。


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