悪魔と涙と甘い恋。
その中から1人の人物が降りて来た。
「止めて」
「何だ?知ってる奴か?」
映像が一時停止され、じっくりとそいつを眺める。
こいつ……。
「桐龍組の奴です」
「本当か!?それは!」
「間違いありません。この腕にある龍の模様、俺が桐龍組を監視していた時に何度も見ました」
「この車を探せ!そこに衣吹もいるかもしれねぇ!」
空気が一変した。
急にバタバタと騒ぎ始め、組長が各々に指示を出す。
「襲撃組みとウチを守る組みに分ける!留守の間ウチを狙われたら元も子もない!!」
「「「はい!」」」
「特定しました!」
「何処だ!」
「ここから西に10キロ離れた倉庫です!そこだけ防犯カメラの映像が変わらないので桐龍組に細工された可能性があります」
後藤の言葉に姐さんは安心したのか、崩れるように座り込んだ。