籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜

復讐 ― revenge ―

わたしはＲＵＬＥＲのメンバーに捕まえられると、病院前にとめられていた黒いセダンの後部座席へと詰め込まれる。


この車の匂い…、思い出す。

これは、わたしが氷川高校から無理やり連れ去られたらときに乗せられた車だ。


そうして、わたしはＲＵＬＥＲの寮である『覇者の館』へと連れ戻されたのだった。



「…痛い！離して…！」


寮に着くと、わたしは十座に腕をつかまれたまま玉座の間へと乱暴に放り込まれた。

床に投げ飛ばされわたしに、だれかが駆け寄ってくる。


「…大丈夫か!?」


わたしの体を抱き起こしたのは玲だった。


「なんだ、玲？お前にしてはずいぶんとやさしいな。世話役になってから、美鳥に情でも移ったか？」

「…いえ、そういうわけでは。ただ、わずかなケガでも見過ごすわけにはいかないので」