籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
だから、あまりにも理不尽なことでも耐えるしかない。


「お前が窓から顔を出しているのが外から見えたから、きてやったぞ」


“きてやったぞ”なんて言われても、わたしはそんなことまったく望んでいないというのに。


「いつもならこの時間は授業に出て部屋にいないことが多いが、今日はめずらしいな」


十座の言うとおり、普段であればわたしは学校に行って寮にはいない。

今日も朝から出席はしていたけど、まったく授業に集中できなくて2限の途中で帰ってきていた。


「難しそうな顔をしていたが、なにか考え事か?」

「…あなたには関係ないでしょ」


歩み寄ってきた十座から離れるように、わたしは背中を向けてソファのもとへ行く。


「相変わらず無愛想なやつだな」


愛想のないわたしに対して、ため息をつく十座。
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