籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「もう1人にはさせない。これからは、ずっといっしょだから」

「うんっ」


わたしたちは見つめ合って微笑むと、手を繋いで走り出した。

希望に満ちあふれた未来に向かって。


もうこの手は、絶対に離さない。

なにがあっても、離れることはない。


だけど、もし離れてしまうようなことがあっても――大丈夫。


きっとわたしたちは、再び巡り合うことができるから。

暗闇の中にいても揺るがなかった、この想いの強さで。


――玲。

記憶を失くしても、離れてしまっても、もう絶対に見失わない。


わたしたちは、ずっとずっといっしょだから。





『籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜』【完】
< 438 / 440 >

この作品をシェア

pagetop