悠久の絃 2
「兄ちゃん知らないの?今年から桜庭の救急は受入れ数を増やしてるの。だから上宮先生はいないに等しい。それに、全員いとが頑張ってるのはわかってる。」


「じゃあなんであんなに抱え込んでんだよ。

埒が明かない。明日全員集めろ。担当医全員だ。俺の名前を使ってでも呼べ。外科の会議室を1つ空けさせる。」


「兄ちゃん!!酒に勢いを任せすぎ!

とりあえず来週の健診に行かせて、凑と麻河先生に色々聞いてもらうんだよ。治療方針はもう決まってる。気になるなら明日カルテを見に来なよ。」


「行かせればいいんだな?俺は絃ちゃんに無理させないからな。」


「兄ちゃんが思ってるほど、数値は良くないんだよ。もういい?僕明日も仕事だから。お風呂入って寝るよ。」


「あぁ。遅くまでごめん。おやすみ。」


悠はグビっと酒を煽り、律は4本目の缶ビールを開けた。







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