悠久の絃 2
「悠、ちょっと無理そうかも。」
そう言いながら兄ちゃんがいとを抱き抱えてリビングに戻ってきた。
肩を震わせて必死に息している。兄ちゃんの胸に顔をうずめて目を合わせてくれないし…
「夕飯全量戻してる。今は詰まってる音もないから過呼吸なだけ」
「わかった。いと、苦しいね、一回お顔こっち向けて。」
「絃ちゃん?悠に診てもらおうな。楽になるぞ」
自室に逃げたくなったのか、兄ちゃんの言葉に反応したのか。いとは急に兄ちゃんの腕の中で暴れ始め、切れる息に喘鳴が混ざる。
「落ち着いて、まずゆっくり息して」
「いと。大丈夫、ほら、おいで」
「っ、だ、大丈夫、じゃ、ない、、!やだっ、!!」
「嫌だな。悠が苦しいの診てくれるから。一回座る?」
「やっ、、悠、みないで、やだ、!お医者さん、ならないで」
あぁ、なるほどね。
さっきからやけに嫌がってる理由はそれか。
ただ、そうなると兄ちゃんに診察してもらうことになるけど……
「そうかぁ。じゃあ俺がやる?律先生が診てもいい?」
「っ、律先生も、いや!!部屋行くから離して!」
どうする?と兄ちゃんの目がこちらを向く。
とりあえず今は無理にやるだけムダ。
「わかった。じゃあお部屋行こうか。僕たちここにいるから、具合悪くなったら教えてね」
そう言うと、いとは兄ちゃんの腕を振りほどいて自室へ逃げ込んだ。
「ま、今はいいよ。あとで話聞きに行く」
「わかった。俺片付けとくから悠はゆっくりしとけ。無理するなよ」
「ありがとう。でも大丈夫だよ」
「いいから。俺がいる間はやらせて」
僕の入院で日本にいる期間が伸びた兄ちゃんは、あと二週間でアメリカに帰る。
椎名も瀬堂先生も、「律がいる間はこき使え」なんて言うけど……
ま、今は甘えていいよね。
「風呂入ってくる。」
「ん、あぁ、大丈夫?苦しいのか?」
「違うよ。いとの話聞きに行きたいから。早めにね」
「水一杯飲んでけ。長風呂するなよ」
「わかってる」
そう言いながら兄ちゃんがいとを抱き抱えてリビングに戻ってきた。
肩を震わせて必死に息している。兄ちゃんの胸に顔をうずめて目を合わせてくれないし…
「夕飯全量戻してる。今は詰まってる音もないから過呼吸なだけ」
「わかった。いと、苦しいね、一回お顔こっち向けて。」
「絃ちゃん?悠に診てもらおうな。楽になるぞ」
自室に逃げたくなったのか、兄ちゃんの言葉に反応したのか。いとは急に兄ちゃんの腕の中で暴れ始め、切れる息に喘鳴が混ざる。
「落ち着いて、まずゆっくり息して」
「いと。大丈夫、ほら、おいで」
「っ、だ、大丈夫、じゃ、ない、、!やだっ、!!」
「嫌だな。悠が苦しいの診てくれるから。一回座る?」
「やっ、、悠、みないで、やだ、!お医者さん、ならないで」
あぁ、なるほどね。
さっきからやけに嫌がってる理由はそれか。
ただ、そうなると兄ちゃんに診察してもらうことになるけど……
「そうかぁ。じゃあ俺がやる?律先生が診てもいい?」
「っ、律先生も、いや!!部屋行くから離して!」
どうする?と兄ちゃんの目がこちらを向く。
とりあえず今は無理にやるだけムダ。
「わかった。じゃあお部屋行こうか。僕たちここにいるから、具合悪くなったら教えてね」
そう言うと、いとは兄ちゃんの腕を振りほどいて自室へ逃げ込んだ。
「ま、今はいいよ。あとで話聞きに行く」
「わかった。俺片付けとくから悠はゆっくりしとけ。無理するなよ」
「ありがとう。でも大丈夫だよ」
「いいから。俺がいる間はやらせて」
僕の入院で日本にいる期間が伸びた兄ちゃんは、あと二週間でアメリカに帰る。
椎名も瀬堂先生も、「律がいる間はこき使え」なんて言うけど……
ま、今は甘えていいよね。
「風呂入ってくる。」
「ん、あぁ、大丈夫?苦しいのか?」
「違うよ。いとの話聞きに行きたいから。早めにね」
「水一杯飲んでけ。長風呂するなよ」
「わかってる」