隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

恋に落ちたあとで / side 酒々井優成



 二〇二四年、春。

 俺は、あなたと再会してしまった。


「……っ」


 きっと、これから始まる楽しい生活を思って、期待に胸を膨らませて、隣の席のやつの顔を笑顔で覗き込んだんだ。

 舞い込んできた前世の記憶は、俺の不毛な恋心も一緒に思い出させてしまった。

 
「顔が……赤いですね……?」


 まさか

 まさかこんなことがあるなんて。


「少し外で涼みます?」


 しかも、隣の席?


「っ、ひっ、」


 ……最悪だ。


「人殺しー!!!!」


 神様はやっぱり、手を汚してしまった俺を許すつもりはないんだと悟った。



《今回の任務は学校潜入。間違っても保護対象と慣れ合いすぎるなよ》


 小さい頃に両親が殺されて復讐のために生きようと決めた時から、人並みの幸せなんか諦めていた。

 だからあなたは、あなただけは幸せになって。

 今度こそ、あなたの未来を守ってみせるから。


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