あの子と私
「ごめんなさい……」

「もっとちゃんとしないと、近所に笑われるでしょ?早くお風呂に入って、制服は持って来なさい。クリーニングに出すから」

「うん……」


海ではあんなに楽しかったのに……。

脱衣所で制服を脱いでいると、潮の香りがした。
そして浴室に入ると、先に頭を洗い、身体を洗う。

日焼けした顔や腕が少しヒリヒリする。

髪や身体に付いた塩を洗い流すと、今日行った海が夢だったような気分になった。
そして浴槽に浸かり、ボンヤリ思い出す。

昔何度か家族三人で海に行った事がある。

私は泳げないから、お父さんが抱っこして海に連れて入ってくれて、お母さんはそれを砂浜で笑顔で眺めてた。


いつから海に行かなくなったんだろう…?


いつからこんな風になったんだろう…?



蛇口からポツンポツンって音を立てて水が落ちる。




まるで






泣いてるみたいだ














































































































































< 33 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop