あの子と私
「私…勉強があるから」

「うん。本当にアリスは勉強頑張ってるよね」


そうじゃない……。

そんな風に言われると、言いにくくなる。

でも言わないといけないんだ。


「アリス、どうしたの?何か変」


そう聞いて来るヨシと、目を合わせる事が出来なくて、私は視線を逸らしたまま言った。


「……私、ヨシやトモと一緒に居たら、成績が下がる気がするんだ。だから……」

「どういう意味?」


心臓がバクバクする

唇が震えて

これ以上言えない


「ヨシ」


二人の方に視線を向けると、トモがヨシの肩に手を置き、力強い目で首を横に振る。

ヨシは不思議そうな顔をして、二人は私から離れて行った。

これだいいんだ。

私は二人から机の上に視線を戻し、勉強を始める。

まだ心臓がバクバクしていて、少しずつ落ち着いていく。


「川野さん」


顔を上げると立花さんと小西さんが笑顔で聞いて来た。


「何か雰囲気変だったけど何かあったの?」

「…ちょっと」

「ふーん。あっ、先生来たから又ね」


席に戻る二人を見ながら、私は思った。

これでいいんだ。




でも


胸が痛い














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