【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約

火曜日職場・隆太朗効果?


 今日は仕事の後に、龍之介の家へお泊りだ。
 お互いに楽しく過ごして、終わらせよう。
 弟は何か言いたげだったが、朝ごはんを一緒に食べて先に仕事へ出て行った。

「ふう……私も早めに行こうっと」

 いつもより多い荷物を隠しながら早めに出社して、ロッカーに仕舞う。
 仕事量も調整して、今日は定時に上がれるようにした。
 
 昼休みの社員食堂。なぜだか今日は男性社員もいる。
 ここ数日で、何故かみんなの仲が良くなった??
 ワイワイと利佳子の周りに人が群がる。

「課長は休日とか何されてるんですか?」

 男性社員に突然、世間話をされる。
 
「え?」

「あっ……これってセクハラですか!?」

「いえそんな……日常会話の範疇だと思いますよ。そうですね……本を読んだり、ホラー映画を見たり……」

「ホラー映画!? 課長がですか!?」

 部下の彼とは一年、同じ部署で仕事をしてきたがこんな話は始めてだ。

「知らなかったです! そんな趣味が」

 もう一人の男性社員も食いついてきて驚く。

「なんだよ~お前まで!」

「だってー俺だって課長の趣味とか聞きたかったんですよっ! 俺もホラー好きです!! デッドデッドゾンビ見ました?」
 
「えぇ、先日に見たわ」

 隆太朗と見た映画だ。
 何故かその話が大いに盛り上がり、男性社員の数も増えて和気あいあいする昼休みになった。
 良い事だとは思うが、一体どういう変化なの? と利佳子は小首をかしげる。
 自分は『怖い堅物上司』なはず……。

 午後の長い会議を終えて、自分のデスクへ戻った利佳子。
 なんだか会議も随分と白熱したものになった。

「お昼休みは、みんな課長とお話できて楽しそうでしたね」

 事務員さんが書類と共にそんな話をしてきた。

「え? ……苦手に思われているんだと……思っているのだけど」

「そんな風に思ってたんですか~? みんな美人の課長に憧れてるけど近寄れないだけですよ」

「あ、憧れ? からかわないでください」

「えっ! 自覚無しなんですか~? これは早いうちに彼氏いるって言わないと、色々誘われちゃいそうですね」

「まさか~何を言っているの」

「ここ数日で、課長が更に好きになったって男子がいっぱいですよぉ~彼氏さん効果じゃないですか? 最近の課長ますます素敵ですもん」

 事務員さんまで、まるで新人さんのように笑う。
 思いもよらない言葉だ。
 
「みんなでからかって……ふふ、いやね」

「女子も男子も、もっと課長と交流したいから飲み会しろって言われてるんで、あの子やる気満々ですよ」

「えっ」

 あの子とは新人さんの事だろう。

「その時にでも恋人いますって言ったらいいんでしょうね!」

「……えぇ……そうね」

 その時にはもう……と思っているが、わざわざ言う事もない。
 事務員さんは笑顔で去っていく。
 どうしてだろう。この数日で何故か周りの反応が変わっていく……。
 それって隆太朗とのお付き合いで……?
 たったの数日……されど数日。

 見えない隆太朗パワーを感じる。
 確かにここ数日で心は柔らかくなった気もする……変な動悸もするけれど……。
 
 その日の会議の後からの仕事も、皆のやる気を感じながら利佳子ブレインは大活躍。
 
 なんとか課長としての仕事を終わらせて、更衣室での着替え。
 着替えの後は少しメイク直し。
 会う人への礼儀だと思いながら、ファンデーションを塗り直して口紅をひく。
 
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