【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約
「人数合わせで引き立て役のオバサンよ。新人の女の子、可愛くてね。隆太朗君みたいに人懐っこいのよ。どうしてもって言うから、お願い聞いてあげたくなっちゃってね」

「お願い……」

「そうそう、あと1人いないとできないんですーって。事務員さんなんて、オバサン上司誘うの!? ってギョッとしてたわ~」

 自虐風にクスクスと笑って、利佳子はワインを飲む。
 しかし、隆太朗は苦しそうな顔をした。

「……です……」
 
「ん?」
 
「ご……合コンなんて駄目ですよ!」

「え?」

「行ったら駄目です!!」

 隆太朗のこんな必死な顔は初めて見た、と利佳子は驚く。

「ど、どうして? 恥をかくって? オバさんちゃんと、わかってるのよ~! ただの人数集めの引き立て役ってわかってるつもり!」

 当然、利佳子もわかっている。
 それに犠牲になるという気持ちもなく、人数が絶対条件で出される人気レストランの特別・合コンディナーコースを味わうつもりだったのだ。

「オバさんなんて思ってないです! そういう意味じゃなくて!!」

「えぇ?」

「お願いです……行かないでください……」

 しかし、きゅーんと鳴く子犬のような瞳を向けてくる。
 苦しそうな顔は、だんだんと泣きそうな顔になってきた。

「ど、どうしたの、隆太朗君」

「俺、利佳子さんに合コンに行ってほしくないです……」

 大きな身体でうなだれて、下を向く。

「だから、どうして……?」

 わけがわからない利佳子も混乱する。
 
「リュウ、姉ちゃん……俺、部屋で寝るわ……」

 話を遮って、ソファで寝ていた利紀が急にフラフラと立ち上がった。

「利紀っ!? お友達がいるのに、何考えてっ」

「わかった! トシ、おやすみ~~!」

 慌てて赤い顔になった隆太朗が、利紀に手を振る。

「おやすみ……ふぁあ」

 利紀も手を振りながら、よろよろと弟はリビングを出て行った。

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