【完結】大人女子✕年下男子!あなたがだいすきです!可愛い年下わんこ君との恋人7日間契約
「だから合コンなんて行かないでください!」

「えっえっ?」

 ぐっと両手で肩を掴まれた。

「わかりませんか?」

「う、うん……」

「利佳子さんってすっごく鈍感ですよね」

「そ、そうかしら…」

「俺ずっとずっと、遠回しに伝えていたんですけど……全然伝わってないので今日はハッキリ言います!!」

 真剣な瞳。
 こんな風に男性み見つめられるのは一体いつぶりだろうか?
 
「好きです!! ずっとずっと大好きです!! 俺の彼女になってください!!」

 リビングに大きな声が響く。
 ドクンドクンと心臓が高鳴った。

「……えっ、えっ……えぇ?」

 動揺してしまった。
 いつも冷静で、仕事でもミスのない完璧な仕事をしてきた利佳子。
 今の状況のルートを利佳子脳(ブレイン)で考える。

 ルート1・笑い飛ばして冗談にする→傷つける
 ルート2・聞こえなかった振り→この近距離では無理
 ルート3・むしろドッキリ罰ゲームなんじゃ???→笑い飛ばす→ルート1にもなり得る

 逃げるルートばかり考えてしまうが、当然だ。

「ど……ど……」
 
「ドッキリなんかじゃありませんよ」 
 
 肩から手を離され、今度は手を優しく握られる。
 大きくてあったかい手。
 そして、真剣な眼差し。
 
「俺はまだ、パティシエとしては修行中です。社会人としてもまだまだ半人前なんですが……利佳子さんが幸せになるように頑張ります……だから」

「え……」

 言葉に詰まってしまう。
 私の幸せ……? そんな風に言われたのは初めてだった。
 最後に別れた彼には『もっと俺の幸せとか考えられねーの?』と振られてしまった。
 付き合っているうちに、相手が年上だとしてと何故かいつも利佳子の包容力を求められ甘えられ、疲れて終わるばかりだった。

「わ、私には……弟がいるし」

 そう。そんな包容力も幼い頃に両親を亡くし、歳の離れた弟を必死に育てて身についたもの。
 まだまだ、自分には自由など……そう思った時。
 
「あのな~姉ちゃん、もう俺の事は気にすんなって」

 寝たはずの弟が、リビングのドアを開けて入ってきた。

「と、利紀!? あんた、な、なにして!?」

「ト、トシやっぱりわざとだったんだ……」

 慌てて隆太朗の手を振りほどいてしまった。
 クーンと隆太朗が悲しい顔をする。

「隆太朗のやつ高校の頃から、姉ちゃんを一途にずーっと好きなんだからさ~~」

 ボッと赤くなる隆太朗。

「ちょ、トシ、そこまで言えって言ってないし」

 高校生の頃から? 利佳子にとっては寝耳に水だ。

「1週間くらい、お試しでもいいから付き合ってみなよ」

 突然の提案だった。
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