❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない

第十一章 由梨の記憶が消えた

(お前を一人にはしない)

健吾は骨が折れてる腕で、必死に自分の身体を移動させた。

水を一口飲む。

どれ位時間が経過しただろうか。

川岸の砂利を踏む音が聞こえた。

「健吾さん、健吾さん」

(俺を呼ぶ声は、紛れもない由梨の声だ)

(由梨、ここだ)

声が声にならない。

(由梨、気づいてくれ)

すると、由梨は健吾に向かって駆け寄ってきた。

「健吾さん、しっかりしてください、今、皆さんを呼びに行きます」

健吾は由梨の腕を掴み、そばにいるようにとか弱い声で伝えた。

由梨は健吾の身体を抱きしめた。

健吾は入院して、一週間が過ぎた。

内臓もだいぶ痛みつけられた状態だった。

健吾は点滴を施してもらっている時、目を覚ました。

「由梨、由梨」
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