監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
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藤枝(ふじえだ)景依(けい)視点―


 103番を捕らえたことで、私の名誉も回復して、ちょっとの不安とは裏腹に今学期も学年首席を取れて。

 今回の財前(ざいぜん)先輩からの呼び出しは、きっといいはなしにちがいない!よねっ。


 …や、仕事のはなしかもしれないけど。

 っていうか、財前先輩のことだからきっと仕事のはなしだけど。


 それでもいいんだ、尊敬する財前先輩に仕事を任せられるのも名誉なことだから。




 コンコン


「失礼します!藤枝です」




 1階の生徒会室に来ると、財前先輩は奥のデスクにいつもどおり座っていた。

 私は扉を閉めて、財前先輩のまえまで行く。




「どんなご用でしょうか」


「あぁ」




 直立してはなしを聞く姿勢を取っていると、財前先輩はデスクに両ひじをついて、手を組んだ。

 紫色の切れ長の瞳が、いつもどおり私を見つめる。
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