監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 踊り場でこそこそしていた2人をにらむように見つめて、ボディーチェックを開始する。

 男の体になんてさわりたくないけど、仕事ならしょうがない。


 パンパンと胸にふれると、なにかが入っている感触がして、うちポケットに手を入れた。

 出てきたのは…。




「たばこ?」


「いやっ、これはVerbrechen(フェアブレッヒェン)から没収した物で…!」


「決して私物では!」


「両者とも、1週間謹慎(きんしん)だ。今日はもう帰ってかまわない」


「「そんな…!」」




 ピシャリと処分を下す財前先輩を、尊敬の目で見つめる。

 2人は目を泳がせ、動揺をあらわにして「届け出ようとしていたんです」と言いわけをかさねた。

 これだから男は、とため息をついて、私はたばこを握りつぶしながら2人をにらむ。
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