監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「いまはどうやってやつらを傀儡(かいらい)にするか考えてる。だから、おさわりはすこしのあいだがまんだ」


「おさわりって…!」




 かぁっと赤面すると、雷牙は首を(かし)げていたずらに笑った。




「お、想像したな。景依はどんなことされたいんだ?」


「ぜったい言いませんっ!」


「ははっ、案外欲しがりだな~。ま、言わなくてもいいさ。ぜんぶ叶えてやる」




 よゆうたっぷりに口角を上げて、目を細めながら私を見る雷牙に、気持ちを見透かされそうな気がして目をそらす。

 私も雷牙のことを好きになったなんて知ったら、ぜったい調子に乗るから…この気持ちはかくし通さなきゃ。



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