監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
 …まぁ、それでもうたがいはすこし残っているんだけど。

 まだ協力者が見つかってないからしかたない。


 生徒会の仕事で居残りをしたから、他に生徒の姿が見えないなか、私は校舎を出て寮に向かう。

 校門を通り過ぎるとだれかが近づいてきて、視線を向けた。

 そこにいたのは…。




「よぉ。ひさしぶり」




 燃えるような赤いアシンメトリーの髪をフードの下にかくして、メガネをかけた、オレンジ色のつり目の男。

 ぽかん、と口が開く。




「らい、が…?」


「おう。元気にしてたか?」


「…な、な、なにしてっ!」




 え!?なにしてるのこの男!?

 捕まりにきたわけ!?




「ちょっと景依(けい)に用事があってな」


「はぁっ?っていうか、なんで脱獄…!」
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