監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「私…赤城会に…」


「ちゃんと催眠、解けたみたいだな」




 催眠。そう。

 最後の日、変なにおいを嗅がされながら、27日から今日までのことを思い出すな、って言われて。

 意識を失って、気づいたら家にもどってて…なにも思い出せなくなったんだ。


 空白の数日間の真実が、これだったなんて…。

 脱獄の協力者が私じゃないなんてうそじゃん…っ!

 私が学園のこと、ぜんぶしゃべっちゃったから…!




「私のせいだ…っ、私のせいで、学園の情報が赤城会に…っ!裏切者は私だったんだ…!」


「落ちつけって、景依。そりゃまえ情報があったから俺はここで快適に過ごせたけど、それだけだ。景依はただの被害者だろ」
< 190 / 289 >

この作品をシェア

pagetop