監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 あぁ、それだけは私の功績と言えるかも。

 他のVerbrechen(フェアブレッヒェン)の居場所はだんまりだった雷牙(らいが)に、ぜんぶ吐きなさいと迫ったのは私だし。




「再審の影響で108番が最後となったが、これで脱獄者は全員この学園にもどってきた」


「はい」


「脱獄に手を貸した林郷(りんごう)も、108番の証言と例の証拠でぶじに裁かれたようだ」


「林郷先輩…」




 目をそらして、雷牙のリークで林郷先輩を問い詰めたときのことを思い出す。

 林郷先輩は最初罪を否定していたけど、雷牙がかくし持っていた、林郷先輩のものだというたばこの吸いがらを見て、すべてを認めた。




『僕は知ってるよ、おまえの秘密。今回は難を逃れたようだけど、いずれ必ずバレるから』
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