監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「…ったく、看守にはわからないように書けって言ったのに」


「は?」




 となりから低い声が聞こえた。

 私も信じられないような気持ちで、でも顔には出さないように、封筒と雷牙の顔を見比べる。

 逃げる気はないって言ってたのに。




「昨日一昨日と、Gebot(ゲボート)の女子生徒を口説いて回ったのは脱獄の協力者を探すためですか?」


「さぁ、正直にはなすと思うか?」


「「…」」




 雷牙が、女子を口説いて回った?

 昨日、一昨日って…真波にバレたあとで?

 よくそんなことが…。




「藤枝先輩、こいつシメましょうか?」





 ひそ、と真波が耳打ちしてくる。

 私は返事ができないまま、唇を引き結んで、ばん、と机を叩いた。
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