監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
じろっと、雷牙へのむかつきをかかえながらにらめば、「はい…」とトレーが差し出される。
私はそれを持ちながら廊下に出た。
「藤枝先輩、自分も…」
「大丈夫。真波はいつもどおり仕事してて」
「わかりました」
こつこつと足音を鳴らして、私は1人ちょうばつ房へ向かう。
私の質問にぜんぶ答えるまで、昼食は食べさせないと決めて。
ちょうばつ房のまえに着くと、私は扉のカギを開けてなかに入った。
雷牙はせまい部屋の奥で、格子のはまった窓の外を見ている。
「…ん?他のやつが来るもんだと思ってた」
トレーをすみの床に置くと、私に気づいたらしい雷牙がへらりと笑ってこっちへ来た。
「景依、あの1年とは仲良くなったのか?」
頬にふれてきた手を払って、きっ、と雷牙をにらむ。