監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「ぐっ…!」


「目撃者がいるようですね。手を出した72番はもちろん反省すべきですが、そもそものきっかけを作ったあなたも反省が必要です」




 私は「連れていってください」と2人を拘束しているGebot(ゲボート)生に指示を出して、ちょうばつ房に行かせた。

 人数が減ったし、彼らがもどってくるまで私はここにいたほうがよさそう…。

 そう考えて、私はVerbrechen(フェアブレッヒェン)に作業を再開させたあと、木工工場の壁ぎわに寄る。


 そこに、兎杏がこっそり近寄って声をかけてきた。




「来てもらってごめんね、景依ちゃん…わたしも生徒会の一員なのに、情けないね…」


「兎杏…2年はみんな、現場に入ったばっかりなんだからしかたないよ。これから学んでいけばいいの。そのために先輩や私たち特進がいるんだし」


「…うん」
< 48 / 292 >

この作品をシェア

pagetop