監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「やっ…!」






****




「2週間、謹慎(きんしん)だ」




 冷めた表情をした財前(ざいぜん)先輩に、そう宣告されて肩を落とす。

 あれから、割って入った林郷先輩によって、108番は無力化されたけど。

 私は休憩時間に受刑者とふしだらなことをしていた不良看守として、財前先輩に報告されてしまった。




「返事はどうした」


「は…はいっ…!」




 うぅ…っ!

 私が謹慎だなんて…!

 108番の言うことをすなおに聞いちゃったせいだよっ、最悪!


 っていうかあの男、殺人犯っていうより詐欺師のほうが合ってるんじゃないの!?



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