監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


林郷(りんごう)先輩!状況は!」


「103番が行方不明になった。脱走の可能性がある」


「わかりました。…103番が脱走!3年1、2年1、1年3人でチームを作って各自捜索にあたってください!」




 声を張って、正面玄関に集まったGebot(ゲボート)生に指示を出す。

 兎杏と林郷先輩にも各チームの捜索エリアふりわけを手伝ってもらって、全体に指示を出し終わると、私は単独で見回りに向かった。




「あ!せんせ~!」


「よぉ、景依。おおさわぎになってんなぁ」


「72番、108番…!こんなところでなにをしてるんですか!」




 工場エリアへ通りがかったとき、2人で廊下を歩いている72番と108番に遭遇する。

 非常事態だからVerbrechen(フェアブレッヒェン)の監視もきびしくなってるはずなのに…!

 すぐに2人へ近寄ると、108番は肩をすくめて72番を見た。
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