地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。【長編】
──ドアの前でずっと下を向いていた桃子は黒神のその言葉を聞いて顔を上げた。
ずっと言って欲しかった言葉。
ずっと·····親に、誰かに言われたかった言葉。
それを言ってくれたのは、お母さんでも、お父さんでも、おばあちゃんでもおじいちゃんでもない。
血のつながらない赤の他人の出会ってから数週間しか一緒にいない人が、9年間、桃子がずっとずっと求めて、言って欲しかった言葉を言ってくれた。
「“愛しているッ!”」
桃子が出てきてくれて、桃子が自分の思いを自分の言葉で話してくれて、感情を出して泣いているのをみて、みんな安心してホッとしていた。