ブラックアトリエから不当に解雇されたけど、宮廷錬成師になっていた幼馴染と再会して拾われました〜実は隠されていたレアスキルで最高品質の素材を集めていたのは私だったようです〜

「とりあえず、新しい修業先を見つけなきゃ……!」

 無駄かもしれないと思いつつ、私は錬成師ギルドに向かうことにした。
 そこでアトリエの空き状況を確認して、徒弟として受け入れてくれる場所を探すことにする。
 その前にまずはギルドで徒弟を破門になったことを伝えなければならないので、ギルドに近づくにつれて自ずと胃がぎゅっと引き締まっていった。
 やがて錬成師ギルドに辿り着くと、受付窓口まで行って必要となる手続きを行うことにする。
 ついでにアトリエの空き状況を確認したけど、今は徒弟を取っているところは少ないようだ。
 でも一応空きはあるので、そこに徒弟入りの志願を出しておくことにする。
 これで向こうが引き受けてくれた場合は、その後簡易的な面談や実技試験を行い、合格すれば晴れて徒弟としてアトリエに雇ってもらうことができる。

「では、お返事が来るまでしばらくお待ちください」

「はい、よろしくお願いします」

 可能な限りの志願を出した私は、また一週間後にギルドにやって来ることにした。



「すべてお断りされてしまいました」

「……」

 一週間後。
 錬成師ギルドを訪れた私は、すべての志願を却下されたことを受付さんから聞くことになった。
 まあ、薄々そんな気はしていた。
 そもそもアトリエの空きが少ない状況だったので、他の徒弟志願者たちと取り合いになるのだ。
 すでに破門経験のある私は圧倒的に不利な立場なので、全部の志願を却下されても不思議はない。
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