機動装甲ⅡR

基地の廊下を歩いていると、駐機場に巨大な艦が陣取っているのが見えた。

大きい。

この距離から見ても、大きすぎて全貌が視界に入らない。

それはまるで艦ではなく、巨大建造物のようでさえあった。

「国連軍秘蔵の汎用機動母艦かぁ」

私は部分おさげの髪の毛を揺らしながら呟いた。

艦といっても、その形状は極めて特異だ。

翼を持った四足の獣が、地面に鎮座しているような姿。

それ故に、この艦にも相応しい名前がつけられている。

コスモノア級汎用機動母艦『グリフォン』。

AMの運用を前提に開発された艦で、その名の通り大気圏内外での航行を可能としている。

この一艦のみで、大気圏外から地上の戦略拠点への強襲も可能なのだ。

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