トップシークレット☆ ~お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる~【減筆版】
傍から見れば、恋人のためにそこまでやるのかと呆れられるところだろう。確かにそうかもしれない。客観的に見れば、わたしのしたことは世間一般からズレているんだと思う。
でも、本当に大切な人を守ろうと思ったら、その方法は人それぞれでいいんだとわたしは思う。だって、抱えている事情はそれぞれ違うんだから。
「…………まぁ、絢乃さんに何もなかったからもういいです。その代わり、僕に心配をかけるのはこれで最後にして下さいね? 約束ですよ?」
「うん、分かった。もう二度と、こんなことはしないって約束するから」
わたしたちは指切りげんまんして、微笑み合った。
――これで、二人の恋路を阻むものはすべてなくなった。年の差も、身分の差も最初から障害になり得なかったのだ。わたしと彼の心が同じなら。
「――絢乃さん、僕、覚悟を決めました。あなたのお婿さんになりたいです。僕と結婚して下さい。お父さまの一周忌が済んで、絢乃さんが無事に高校を卒業して、そうしたら。……で、どうでしょうか」
「はい。喜んでお受けします!」
彼からの渾身のプロポーズに、わたしは喜び全開で頷いた。
思えば初めてわたしの気持ちを彼に伝えた時、子供っぽい告白になってしまった。でも今なら、彼にとっておきの五文字で想いを伝えられるだろうか。あの時から少し大人になったわたしなら……。
「貢、……愛してる」
「僕も愛してます、絢乃さん」
わたしたちは熱いハグの後、長いキスを交わした。
「――ところで、絢乃さんは高校卒業後の進路、どうされるんですか? 僕、まだ教えて頂いてないんですけど」
帰り道、彼が器用にハンドルを切りながらわたしに訊ねた。……おいおい、今ごろかい。
「わたしね、大学には進学せずに経営に専念しようと思ってるの。やっぱり好きなんだよね、会長の仕事とか会社が」
「……なるほど」
「ママは最初、大学に進んでもいいんじゃないか、って言ってくれたんだけど。最後には折れてくれたの。わたし、これまでよりもっともーっと会社に関わっていきたいから」
「加奈子さん、絢乃さんに甘々ですもんね」
「うん、まぁね。ちなみに、里歩は大学の教職課程取って、高校の体育教師目指すんだって。唯ちゃんはプロのアニメーターを志して、専門学校に進むらしいよ」
卒業後の進路はバラバラでも、わたしと里歩、唯ちゃんとの友情はこれから先も変わらない。きっと。
でも、本当に大切な人を守ろうと思ったら、その方法は人それぞれでいいんだとわたしは思う。だって、抱えている事情はそれぞれ違うんだから。
「…………まぁ、絢乃さんに何もなかったからもういいです。その代わり、僕に心配をかけるのはこれで最後にして下さいね? 約束ですよ?」
「うん、分かった。もう二度と、こんなことはしないって約束するから」
わたしたちは指切りげんまんして、微笑み合った。
――これで、二人の恋路を阻むものはすべてなくなった。年の差も、身分の差も最初から障害になり得なかったのだ。わたしと彼の心が同じなら。
「――絢乃さん、僕、覚悟を決めました。あなたのお婿さんになりたいです。僕と結婚して下さい。お父さまの一周忌が済んで、絢乃さんが無事に高校を卒業して、そうしたら。……で、どうでしょうか」
「はい。喜んでお受けします!」
彼からの渾身のプロポーズに、わたしは喜び全開で頷いた。
思えば初めてわたしの気持ちを彼に伝えた時、子供っぽい告白になってしまった。でも今なら、彼にとっておきの五文字で想いを伝えられるだろうか。あの時から少し大人になったわたしなら……。
「貢、……愛してる」
「僕も愛してます、絢乃さん」
わたしたちは熱いハグの後、長いキスを交わした。
「――ところで、絢乃さんは高校卒業後の進路、どうされるんですか? 僕、まだ教えて頂いてないんですけど」
帰り道、彼が器用にハンドルを切りながらわたしに訊ねた。……おいおい、今ごろかい。
「わたしね、大学には進学せずに経営に専念しようと思ってるの。やっぱり好きなんだよね、会長の仕事とか会社が」
「……なるほど」
「ママは最初、大学に進んでもいいんじゃないか、って言ってくれたんだけど。最後には折れてくれたの。わたし、これまでよりもっともーっと会社に関わっていきたいから」
「加奈子さん、絢乃さんに甘々ですもんね」
「うん、まぁね。ちなみに、里歩は大学の教職課程取って、高校の体育教師目指すんだって。唯ちゃんはプロのアニメーターを志して、専門学校に進むらしいよ」
卒業後の進路はバラバラでも、わたしと里歩、唯ちゃんとの友情はこれから先も変わらない。きっと。