足元のプレゼント

ーーー

あと数日で今年も終わる。

なのにどうしてこんなにもきらびやかなんだろう。

私が今、影になっているみたいで
少し憂鬱に感じる。

今年はプレゼントが届くだろうか。

私は良い子じゃないから届かないだろうけど。

最後に貰ったのはなんだったか。
昔はアイドルにハマってたけど、貰ったのはぬいぐるみだった気がする。

年齢にふさわしくない、大きくて可愛らしいふわふわのぬいぐるみ。

そのぬいぐるみはいったいどこにいったんだろうか。
これを機に探してみようかな。
見つけたところでそのぬいぐるみはもう…

そんなことを考えながら、私の住んでいる街で1番大きなツリーを見上げる。

私が大好きだったカラフルな木。

頂点にある飾りは毎年少しずつ変わっていって、
今年は金色の星に真っ赤な帽子が被せられている。

変な噂を持つこの大きな木。

手紙を入れた靴下をこっそりツリーに付けて。
ライトが消えるまでだれにもバレなかったら素敵なプレゼントが届く。

たった2日間の魔法みたいに。

そんな話を信じる人がいるのかすら怪しいけど。

小さな頃から囁かれる少し胸が踊る噂話。




< 1 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop