私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「ごめん、やっぱりなしで」
女の子は暗い顔でそう告げた。
「急に痴漢も変質者も増えて、クラスの女子から嫌がらせされて、自転車もスマホも壊れるし、もう無理!」
女子生徒は去って行った。
大学時代には友人にからかわれた。
「よう、呪いの御曹司!」
「やめろよ、マジで」
「俺は呪われねーから平気」
彼はからっと笑った。
「呪いなんて、非現実的よね」
仲良くなった女友達が一緒に笑った。笑顔が素敵で、彼女が笑う度に見とれた。が、近付かないように気を付けた。また女性が不幸な目にあったら、と一歩を踏み出せずにいた。
しばらくして、二人が付き合い始めたと聞いた。
無力感が彼を満たした。
最初はみんな、呪いなんてと笑う。
が、なにかが起こると、ときに穂希のせいにして、ときには穂希のせいじゃないけどと言いながら去って行く。
男でも呪いを気にして彼に近付かない者もいた。
そうして、穂希はあきらめた。
一つの凶事が次の凶事を結び付け、転がる雪玉のように膨れ上がり、穂希を押しつぶしてしまった。思考停止してしまうほどに。
呪いを笑い飛ばす女性に、久しぶりに会った。
一鈴だ。
呪いなんて非現実的と言いながら開運に詳しそうで、いろいろと教えてくれた。
なのに一鈴は開運に頼っていなかった。ただ、凝り固まっていた穂希の思考をときほぐしてくれた。莉衣沙、佳乃、コスモ。開運に頼らずとも幸せに変わっていく女性たちを見た。
なにより、自分が変わった。
彼女への想いを、恋だと思いたくなかった。
自分が恋したのなら、また不幸にしてしまう。
だけど、一緒にいたい。
偽装婚約なら契約を伸ばせる。偽装なら呪いをかわせないだろうか。
そう思っていたのに。
結局は断られ、あと少しで満了なのに、彼女が追い込まれた。
彼女はすべてを飲み込み、笑って立ち去ろうとしている。
「情けない。彼女に助けられて守られて」
穂希は忸怩たる思いに、歯をぎりっとかみしめた。
女の子は暗い顔でそう告げた。
「急に痴漢も変質者も増えて、クラスの女子から嫌がらせされて、自転車もスマホも壊れるし、もう無理!」
女子生徒は去って行った。
大学時代には友人にからかわれた。
「よう、呪いの御曹司!」
「やめろよ、マジで」
「俺は呪われねーから平気」
彼はからっと笑った。
「呪いなんて、非現実的よね」
仲良くなった女友達が一緒に笑った。笑顔が素敵で、彼女が笑う度に見とれた。が、近付かないように気を付けた。また女性が不幸な目にあったら、と一歩を踏み出せずにいた。
しばらくして、二人が付き合い始めたと聞いた。
無力感が彼を満たした。
最初はみんな、呪いなんてと笑う。
が、なにかが起こると、ときに穂希のせいにして、ときには穂希のせいじゃないけどと言いながら去って行く。
男でも呪いを気にして彼に近付かない者もいた。
そうして、穂希はあきらめた。
一つの凶事が次の凶事を結び付け、転がる雪玉のように膨れ上がり、穂希を押しつぶしてしまった。思考停止してしまうほどに。
呪いを笑い飛ばす女性に、久しぶりに会った。
一鈴だ。
呪いなんて非現実的と言いながら開運に詳しそうで、いろいろと教えてくれた。
なのに一鈴は開運に頼っていなかった。ただ、凝り固まっていた穂希の思考をときほぐしてくれた。莉衣沙、佳乃、コスモ。開運に頼らずとも幸せに変わっていく女性たちを見た。
なにより、自分が変わった。
彼女への想いを、恋だと思いたくなかった。
自分が恋したのなら、また不幸にしてしまう。
だけど、一緒にいたい。
偽装婚約なら契約を伸ばせる。偽装なら呪いをかわせないだろうか。
そう思っていたのに。
結局は断られ、あと少しで満了なのに、彼女が追い込まれた。
彼女はすべてを飲み込み、笑って立ち去ろうとしている。
「情けない。彼女に助けられて守られて」
穂希は忸怩たる思いに、歯をぎりっとかみしめた。