女子高生日記
一章

気になる、あの人は人気者教師。


立ち昇ってゆく灰色の煙は澄んだサファイアを水で薄めたみたいな青空に吸い込まれ、消えてゆく。



私自身もそんな空のように透明で純粋な存在であったら、母親からくすねた煙草を吸う事もなかったはずだ。



息を小柄な四肢に取り入れ、喉が悲鳴を上げる。


肺の中が真っ黒な煙によって「苦しい、苦しい」と泣き叫んでいるかのように、熱い。



ーー更に風船を窄めるように、毒素を吸引。




「っふ………」


息を吐き出した。



体から出てきた煙は元々タバコが持っていたニコチンを浄化したかのように、真っ白。




私、高校二年「日比谷霞」は人生のどん底にいる。



学校には通えてはいるけれどヤンキー高校もいいとこで、この「如月高校」は虐めや妊娠退学も序の口。


その証拠に年内如月高校生のガラスが破れた回数は150枚で割った生徒を調べれば、ほぼと言っていいほど他校との学校のヤンキー同士の抗争事情だったのだ。

ズキズキする頭を抑えて、煙草の煙を意味もなく深く吸う。


だけどこの学校で、確かに私は友達はいる。

それも、いまいち冴えない人ばかりで「一軍」でもなければ「二軍」でもないーー「普通の高校生」といったところだけど。

< 1 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop