家出少女の反抗
「なん……で……」
「霞……、変ね……私達親子なのに、十年間ぐらい溝があったみたい……」
溢れ出る怒りを抑えるために、すぐさまその場を出ようとした。
「潤とは別れて、刑事告訴するわ」
突然として、お母さんはそう断言した。
「今更なんなの?信じてくれなかったくせにっ……!!」
「必死だったのよ!!私だって、ずっと虐げられて働いてきたんだから!!余裕がなかったの!!」
お母さんは私の手を掴んで、離さなかった。
「会社で……ずっといじめられてて会社を変えようにも色んな事情で環境を変えることができなかったのよ!!」
「じゃあどうして、電話がよこして心配してくれなかったの?どうだっていいんじゃないの!!結局は!!」
「それはーー貴方にどんな顔をして、電話したらいいか分からなかったからよ!!」
そういった瞬間、お母さんは泣き崩れて嗚咽を吐き始めた。
「潤の戸棚に入ってた写真をみてはじめは、嘘かと思ったわ。でも、段々と辻褄が合っていって……「もし自分の娘が十年以上虐待され続けていたら?」って思ったら母親って名乗る資格ないと思ったから電話をかけるのが怖かったの……!!」
「ばっかみたい……っ」
それならどうして、縁を切ってくれなかったのか?
母親失格だと思ったのなら、娘の為に最後でもいいから楽な道を見つけ出して、離れる方法もあったろうに。
それをしないってのなら、結局は自己満足の道具としてしか見てないのでは?