「お姉ちゃんみたいなもんだし。」【完】



朝7時半、いつも通り部屋に入り布団に包まり膨れている塊をゆする。



「こたくん〜起きて」



私の名前は戸田せれん(とだせれん)ごく普通の高校2年生です。



「ん…」



そして眠たそうに布団から顔を覗かせるのは、一つ年下の幼馴染の榊原琥太郎(さかきばらこたろう)くん。通称こたくん。


「もう…遅刻しちゃうよ?」



朝が苦手なこたくんのために、お隣さんである私が毎朝起こしに行ってるんだけど、いつもこんな感じ。



「もうちょっとだけ…」



そう言って、布団に再びもぐるこたくん。



「ダメだってば…!ほら、起きて」



昨日だって結局ギリギリになって、遅刻寸前だったんだから…



「んー、いいじゃん…」



綺麗な顔を歪ませながら、目を閉じたままのこたくん。


はぁ…今日もかっこいい。

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