クズなアイツが惚れたなら、(旧・プレイボーイが落ちるまで)
プロローグ




*

*



「好きです…っ」



放課後、まだ人も少なからず残ってるというのに叫ぶくらいに響きわたる声。



……あー、はいはい。


一応、ほんとに一応、360度くるりと見渡してみるけど、俺以外に男はいない。




「それで?」

「え、」

「付き合ってほしいの?」

「い、いいの?」

「いいけど、遊びならな?」



相手の目が変わる気配がする。

さっきまでのこもった熱が、色を失くしていくような、そんなかんじ。


これはアレだな、ピュアなタイプ。

……めんどそ。


こういうのは付き合うと調子乗って勘違いして、挙げ句の果てに縛ってくる。

もちろんそうじゃない、本気で純粋に想い続けてくる女もいるけど、それもそれで、べつに興味なし。


おまえ性格終わってんねって、いつもつるんでる直江(なおえ)にもよく言われるとおり、ほんとにそうだなと思う。
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