🆕僕に依存してほしい。【ピュアBL】
「恋人になるとか大事なことはすぐに決められないよ……」
「じゃあ、試しに付き合ってみるってのはどう?」
「試しに?」
「そう、僕たちが……2年生になる日まで。」
 突然そんなこと言われても、頭が回らなくてどう答えればいいか分からない。

「本格的に付き合うかどうかは、そのあとに決めればいいよ」
 
「……試しにって、最初は正式に恋人じゃないってこと?」
「うん、そう。すごく気軽に考えてくれていいから」
「それって、返事あとでいい?」
「ううん、今決めて? もしもダメだったら、僕に恋心抱かれていて告白を断った歩夢くんも気まずいだろうし、もう関わるのはやめるよ」

 ……悠生くんと一緒にいるのは楽しいし、関係がなくなるのは嫌だな。

 今まではずっと怜くんと一緒にいて、怜くんが一番近くにいて、それが当たり前で。

 まじないにも『怜くんが僕に依存する』って書いたけど……。

「お試しで恋人になるって、今みたいな感じのままでいいんだよね?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、悠生くんとお試しでお付き合いするの大丈夫かも」
「ほんとに?」

 悠生くんの顔がぱっと明るくなった。

――怜くんには怜くんの世界があるのだろうし。ちょっと怜くんから離れてみようかな。

 
 
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