僕の秘書に、極上の愛を捧げます
むしろ逆、だったのだ。
彼の横に立つ私に、『なぜあんな子が?』『遠藤さんとは釣り合わない』と何度も言われてきたから。

それなのに、専務のような男性に肯定してもらえるなんて・・と胸がいっぱいになる。


「そう仰いますけど、専務のお噂も、なかなかのようですよ」

泣きそうになる自分を誤魔化そうと、専務に話題を向ける。

「僕の噂? あー、絶対良くない噂でしょ。出所は社長かな」

「いえ、先ほどの遠藤さんから・・」

「宮田さん、信じた?」

「まぁ・・半分くらいは・・」

そう言った私に、専務は右手で顔を覆うようにして俯いた。

「はー・・、参ったな。それ、聞いてもいい?」

「聞いて、どうされるんです?」

「事実以外は否定したい・・」

上目遣いに私を見る専務が可愛すぎて、イジワルしたくなる。

「夜のお相手が豊富で、全く困っていないと。外国に婚約者もいるとお聞きしましたよ」

「うっ・・。宮田さんが信じたのって・・」

「それはもう、夜のお相手の方です。専務のお立場とそのルックスだと、疑いようがないじゃないですか」

ニコッと笑いかけると、専務がガックリと肩を落とし何やらブツブツと呟いている。

「あの、私は専務の業務に支障が無いようサポートさせていただくためにいるわけですから、お困りの際は、そういった件も多少ならお助けいたしますよ」

「・・宮田さん」

「はい」

「事実を、知りたいと思わない?」

私を真っ直ぐに見て言った専務に、トクン・・といつもと違う鼓動が聞こえた。



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