僕の秘書に、極上の愛を捧げます
コンコンコン。
ドアがノックされ、佐伯がグラスとスパークリングワイン、前菜の盛り合わせを持って入ってくる。

「これ、俺からのお祝い。無くなりかけたところで呼んで。それまでは誰も入れないから・・さ」

「お祝いって・・。まぁいいか、ありがとう。悪いな、いろいろ」

俺がグラスとワイン、彼女が前菜とカトラリーを受け取ってドアを閉めた。
そして、カウンターに並んで座る。
左が彼女で、右が俺だ。

「少し飲もうか。冷えてるうちに」

「はい」

ワインをグラスに注ぎ、彼女に渡す。
軽くグラスを合わせ、少しずつ喉に送り込んでいく。

「・・とっても美味しい」

ほぅ・・と、彼女の吐息が聞こえた。

「宮田さん・・。僕は宮田さんに聞きたいことがあると言ったけど、それはさっき聞いた遠藤さんとのことだ。今度は、僕から話したいことがあって・・聞いてくれる?」

「はい。何でしょうか」

俺は自分のグラスを置き、彼女の右手からもグラスを外してカウンターに置く。

そして、俺は左手で彼女の右手を軽く握った。

「え・・?」

驚いた表情で俺を見た彼女に、真っ直ぐに伝える。


「これからは、僕のプライベートな時間にも一緒にいてほしい。もっと宮田さんのことが知りたいし、僕のことも知ってほしい。
・・好きなんだ」


左手はそのままに、俺は右手で彼女のフェイスラインに触れ、少しだけ上に向けてから口づけた。

お互いの唇からは飲んでいたスパークリングワインの味がして、思わず彼女の唇をするりと舐めた。

「んっ・・」

鼻から抜けるような、けれど、俺にとってはものすごく扇情的な彼女の声に、腰のあたりがゾクリとした。



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