この青空に、君と生きる未来を誓う。
第1章
始まりの季節
四月、はじまりの季節と言われる春。
これから何が始まるんだろう?
私にはどんなことが起こるんだろう?
そんな期待と不安が胸いっぱいに広がる、新学期初日の朝。
「いただきます!」
大きな声でそう言ってお母さんが作ってくれたご飯を食べ始める。
今朝は、ご飯・お味噌汁・玉子焼き・焼き魚の純和風メニューだ。
「優羽もついに受験生だね」
お母さんに早速そう言われて、一瞬気分が沈む。
「受験のことはあまり考えたくないけどね」
私がそう言うと、
「ついこの前高校に入学したばかりだと思ったら、もう3年生だもんな」
向かいの席に座っているお父さんがしみじみとつぶやいた。
「クラス替え、友達と同じクラスになれるといいな」
「うん。陽依ちゃんも同じクラスだといいな」
お父さん、お母さんと話しながら食事をしていると、あっという間に時間が過ぎていく。
「おっ、もうこんな時間か」
時計を見て、お父さんが慌てて仕度を始めた。
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