この青空に、君と生きる未来を誓う。
新たな道の一歩
11月に入ると、クラスは受験ムードに染まり始めた。
私も、もうすぐ清風女子大の面接試験がある。
放課後に先生と模擬面接をしたり、休み時間に進路指導室で大学案内を見たりと、本格的に受験モード。
「音大って自然がいっぱいあるところなんだね」
「清風女子はやっぱりお嬢様学校って感じがするよね」
休み時間、私は陽依ちゃんと進路指導室でお互いの第一志望校のパンフレットを見せ合っていた。
陽依ちゃんは夏休みに一緒にオープンキャンパスに行ってくれたけど、5歳の頃からピアノを習っているということで、音大のピアノ科を第一志望にすることにしたらしい。
「そういえば、優羽ちゃんって日向くんの進路は聞いてる?」
「え?」
突然彼方くんの話題を振られて、思わず顔を上げる。
家庭の事情で大学受験をしないことは知ってるけど、具体的にどういう道に進むのかまでは聞いたことがない。
就職するのか、このままバイトを続けてフリーターになるのか、それとも何かやりたいことが見つかったのか。