この青空に、君と生きる未来を誓う。
夏期講習の再会
夏休みに入って1週間が経った頃。
私は、家から歩いて15分程度の所にある塾へ向かった。
もう夕方の3時を過ぎているけど、陽射しはまだまだ強い。
あちこちでセミの鳴き声が聞こえる。
夏独特の体中をまとわりつくような暑さで、大した距離じゃないのに汗ばんでくる。
塾に着いて館内に入ると、冷房が効いていてひんやりしていた。
受付にある掲示板で、自分の受講コースと教室を確認する。
私は文系コースで、教室は3階だ。
教室に入ると、見知った顔が半数近くいた。
つまり、このクラスの半数は夏期講習の前からこの塾に通っている人たちということ。
適当に空いてる席に座って、テキストを鞄から出す。
まだ授業が始まるまで30分近くあるから、テキストを見直しておこう。
そう思って、テキストを開いた時。
「天音さん?」
名前を呼ばれて顔を上げると、目の前にいたのは見覚えのある男の子。
一瞬誰だかわからなかったけど、すぐに中学時代クラスメートだった久遠くんだと気づいた。