色褪せて、着色して。Ⅳ~沈丁花編~
 せっかくバニラが、どこにも行けないように。
 縛り付けてくれたというのに。
 あの人はやっぱり騎士で。
 忙しい身なわけで…

「あーあ」と頭をおさえた。
 でも、離婚の危機はどうやら乗り越えたようだ。

「太陽様はお仕事ですか?」
 席を外していたバニラがすっと近寄る。
「みたいだね。緊急招集って、何だろ? また海外でも行くのかね」
 はああ…と深くため息をついて。
 座り直す。
 ここまで来て。
 どっと疲れが出たことに気づいた。
 めまぐるしい時間は、一体。
 いつまで続くのだろう。

 近くでたたずんでいたバニラがピクリと何かを察知して表情を変えたのはすぐだった。
「マヒル様、わたくしちょっと外を見てきます」
「行ってらっしゃい。気をつけてね。なんか、騎士団のほう騒がしいみたいだからさ」
 と私はテーブルに頭をのせた。

 バニラにしては、珍しく足音をバタバタ言わせながら出て行ったかと思うと。
 ものの数秒で戻って来た。
「大変ですわ。 マヒル様」
「うん? なあに」
 と疲れた目でバニラを見る。

「王子様が行方不明だそうです」

 一難去って、また一難!?



つづく…?
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