優しい犯罪

3-3





週に一回のお風呂も五分と決まっていて、頭を洗って傷だらけの体を洗えば、あっという間。



仕上げに排水溝に溜まった抜けた髪を取り除けば終わり。





髪の毛が一本でもお風呂場に残っていれば、罰が待っているし、垢一つも残せない。



汚れや匂いは消えるけど、湯船にゆっくり浸かってリラックスしたい。


そう言ったところで、贅沢だとまた殴られるのは見えているから、いつか湯船に浸かりたいと願いながらお風呂の時間は終わる。



< 112 / 296 >

この作品をシェア

pagetop