優しい犯罪

1-2





抵抗する力はなく逃げ出す気力もないまま、手足を縛られて車の座席に体が沈んでいる。



私は殺されるんだろうか。





無い物ねだりと言っていいか分からないけど、外の世界をあまり知らない私にとっては、見るもの全てが新鮮で刺激が強すぎる。


目に入ってくる情報量の多さに見えない恐怖さえ感じて、いっそのこと先が見える恐怖の方が覚悟ができて幸せと思ってしまった。




< 15 / 296 >

この作品をシェア

pagetop