優しい犯罪
「勝手に出ようかな…」
ドアノブを右に左に捻ってみると、扉が軽くなって廊下の景色が見えた。
…出れる!そう思って飛び出そうとしたけど、おじさんより大きい人とぶつかって尻もちをついた。
「おいおい。逃げようとしたやろ。お嬢ちゃん、あかんで」
「…誰。変な人」
「変な人か。ははっ!関西弁は聞き慣れへんやろうからな。そう思われてもしゃーないわ」
早よ座り。インパクトのある話し方をする強面の男の人は、尻もちをついたままの私を立たせてくれて、パイプ椅子に座るよう促した。