α様は毒甘な恋がしたい


 私のほっぺが、戒璃くんの肩に沈み込んでいるせい。

 彼の顔は全く見えないけれど。

 声を聴くだけで、悪魔っぽい表情をしていると断言できちゃうよ。



 一刻も早く、テレビカメラ向かって優雅な笑顔を振りまく、いつもの正統派王子様にもどってもらわないとな。

 ここは声に力を込めて……


「戒璃くん、お願い。いったん落ち着こう!」


 まずは私から離れて。

 肺に入りきらないくらいの深呼吸をして。


 悪魔に乗っ取られているなら、お祓いしよう、ねっ。

 やり方はわからないけれど。

 お札を作るとか、盛り塩をするとか?

 協力できることは、なんでもするから……って。


 うわっ、わっ、わわわっ!

 私の両ほっぺが、普段ギターの弦をはじいている綺麗な手のひらで包まれてる!

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