腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
7.追いかけるより追われる恋愛




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 どうしてこんなことになっているのか、頭が全然追いつかない。


 大好きだった婚約者の尚人に浮気をされたため、内容証明書を持って話し合いで結婚破棄をし、慰謝料を貰えたところまでは整理できている。


 けれど、なんで私は親を交えて暖と結婚の話を進めているのだろう。


 ……私、結婚破棄できたんだよね? なのに、暖は真剣な顔つきで「和歌さんを俺に下さい」とお母さんにお願いしている。


 『和歌の結婚相手はどの男でも可能性あるんなら、俺でもいいだろ』あれは冗談なんかじゃなかった。暖は本気で私との今後を、未来を考えてくれていた。


 いくら三年間想いを寄せてくれていたといっても何年も前のことなのに。純粋に私を想ってくれていた暖だからこそ、中途半端な答えはいけない。


 そう思うから断っているのに、私の母も一緒に住んでほしいと予想外な角度から責めてくる。


 なかなか手強い。


 思えば、尚人と付き合うことも、結婚を決めたときも、こんな風に悩んだことはなかったかもしれない。


 一緒にいて楽しいから付き合った。結婚を考え始め、結婚時かなと思い、結婚に踏み切った。その場の雰囲気で合わせてきたような気がする。



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