65リットルよりも、笑って。




「外出許可、出せるよなゆちゃん」


「えっ?」


「クリスマスの日」



いちばん仲が良い担当看護師さんは、今ではもう友達を通り越してお姉ちゃんみたいになって、最終的には母親のような存在だった。

夕食を運びに来てくれた美子ちゃんは、ドアを静かに閉めて穏やかな視線を送ってくる。



「んー、病院のキャンドル気になるし!飾り付けも楽しそうだし?今年はここでいいかなあ~」



今年は、っていうか。

最後は、の間違いだったかな。


でもそんなこと言うとみんな悲しい顔になってしまうから。

せっかくクリスマスが待っているんだから笑顔でいたいでしょ、みんなも私も。



「…親戚たちからもまーったく連絡ないし、ここのほうが楽しいよ」



12月24日。

1年のなかできっと、いちばんキラキラしている日。

世間ではクリスマスイブというやつだ。



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